最軽量級ミニマム級について。
まだまだ、歴史が浅くブリッジャー級(笑)に次いで新しい階級である。アメリカでは評価されない階級だが日本、タイ、南米やフィリピンなど、身長が低いけれどアスリートとしての才能の場を与える階級という救済的な意味合いもあるのではないだろうか?ロペス、カルデロン、ラタナポン、近年ではタイの二枚看板ワンヒン、CPフレッシュマートにアメリカが生んだオスカー・コラーゾがリヤドシーズンのお陰で注目度が集まっている。
ミニマム級歴代最強ランキング。
①ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)
②リカルド・ロペス(メキシコ)
③イヴァン・カルデロン(プエルトリコ)
④イーグル・デン・ジュンラパン(タイ)
⑤井岡一翔(日本)
⑥ドニー・ニエテス(フィリピン)
⑦ロセンド・アルバレス(ニカラグア)
⑧ラタナポン・ソーウォラピン(タイ)
⑨オスカー・コラーゾ(プエルトリコ)
⑩新井田豊(日本)
①ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)
別名チョコラティート。ロペスを推す人にとっては異論は沢山あるだろうが、ロペスになくてロマゴンにある明確なものがある。それはフィジカルの差。そうは言っても実績は断トツロペスだが、フライ級に進出していれば並の王者にも負けていただろう。ニカラグアの蛮勇ロセンド・アルバレスの強靭の身体を活かしたファイトには付いて行けなかったが、スーパーフライ級でも充分通用しているロマゴンなら苦戦せずに倒せるだろう。
②リカルド・ロペス(メキシコ)
精密機械と言われた無駄のないボクシングの基礎を極限にまで極めたスタイル。現在日本ボクシング界を牽引する大橋秀行、サマン・ソーチャトロンを全く寄せ付けずにノックアウトした姿は戦慄する。相手の身体を浮かすほどの滅茶苦茶で強烈で過激なアッパーを持ち合わせ、ジャブですら攻略は難しく、懐に入ってもノーモーションのストレートが待ち受けている。倒すには強靭なフィジカルの持ち主じゃなければ厳しいだろう。
③イヴァン・カルデロン(プエルトリコ)
時代が築いた千両役者デラホーヤ、モズリーともスパーリングで打ち合ったプエルトリコ国内軽量級最強の男カルデロン。デラホーヤのパンチが当たらずナーバスになったと言う噂もあるが、実際どうだろうか?上手くいかなければ強引にラフファイト気味に攻撃すれば当たりそうな気がするが。同郷の先輩アレックス・サンチェスとの新旧交代対決が、彼にとってのターニングポイントだろう。メキシコばかり注目されるがプエルトリコも人口は少ないが宝石のような人材が揃っている。
④イーグル・デン・ジュンラパン(タイ)
日本でお馴染みのイーグル京和。防衛回数は物足りないものの試合内容や対戦相手をみると最高実力者に推したくなる。18勝のうちKOは6と低いが数字以上の強打を彼は持ち合わせている。八重樫東、高山勝成、ホセ・アントニオ・アギーレと当時の最前線で戦い続けた強豪を退けている。眼疾さえなければ、何処まで行ったのかが惜しまれる。恐らくライトフライ級でも活躍しただろう。フライ級は…流石にフィジカル的に無理か。
⑤井岡一翔(日本)
5位は八重樫とのミニマム級統一戦に臨んだ井岡一翔だろう。難敵オーレイドンを倒しヨードグンをまさかの1回でノックアウト。日本国内ではアンチ批判が多数いるが、日本ボクシング史上どころか、世界軽量級ボクシング史上で名を刻んだスーパー王者であることは間違いないだろう。スーパーフライ級でのメガマッチ路線も素晴らしい。ニエテス、田中、ロドリゲス、シントロン、フランコ、マルティネスと申し分ない相手である。
⑥ドニー・ニエテス(フィリピン)
上記の井岡と2戦も拳を交え、1戦目はボディワークと豊富なスタミナを活かして勝利した。スネークマンとの別名だが、アウトボックスする姿はヘビにも見えなくはない(?)。同時期を活躍したフィリピン勢のパッキャオ、ドネアと比べたら知名度はワンランクもツーランクも落ちるが、実力は一級品である。ライトフライ級の世界戦の相手は全員メキシカンという先輩パッキャオ同様メキシカンキラーでもあった笑。
⑦ロセンド・アルバレス(ニカラグア)
同じニカラグア出身のロマゴンとはイメージが全然違う笑。ロペス戦のフィジカルの良さ全開のスタイル、2戦目の体重超過、4度も競り合ったベビス・メンドサ戦のローブローに体重超過と、メンドサはとんだ被害者である笑。このように悪いイメージが付き纏うが、ボクとしては全然アリだと思う。いや、体重超過は許せないけどダーディファイトや、ローブローは裏を返せば、それだけ必死で本気であると言う証拠なのだから。
⑧ラタナポン・ソーウォラピン(タイ)
軽量級屈指の強打者。リトルカオサイとも呼ばれる彼は僅か3年4ヶ月で12回防衛、1年7ヶ月で6度防衛と極めて大変なハードスケジュールをこなしたせいか、23歳で防衛疲労や蓄積されたダメージが爆発。ゾラニ・ペテロ、ウィル・グリッグスピー、リカルド・ロペスと歯が立たずに惨敗。引退後は自殺未遂をしたりと苦労したとのこと。評価が低いのは結局タイの判定と、タイの天秤に恩恵が大きいからである。
⑨オスカー・コラーゾ(プエルトリコ)
プエルトリコの期待のニューフェイス。ビック・サルダール、メルビン・ジェルサレムを全く寄せ付けずに勝利してミニマム級最強実力者だったノックアウト・CPフレッシュマートを圧倒したままノックアウトで沈め、ミニマム級を荒野にしそうな勢である。ロペス、カルデロンを超えそうな勢である。複数階級制覇すればロマゴン超えも夢ではないだろうが身長が157センチは流石に厳しいか…未来への期待が高いので是非とも注目してほしい選手である。
⑩新井田豊(日本)
井岡に続いて日本人2人目。晩年のチャナ・ポーパオインを打ち破りノエル・アランブレット、ファン・ランダエタのベネズエラ勢を軍門に降らせ、同国人最強対決となった高山勝成に大接戦の勝利で、国内では向かう所敵なし状態となる。ニカラグアのPFPキングとなったアルゲリョの意志を引き継いだローマン・ゴンサレスとの戦いはフィジカル、スピード、威力、コンビネーション全てに遅れを取り敗北。相手が悪かったとしか言えない。
ミニマム級のビッグマッチ。
①リカルド・ロペスvsロセンド・アルバレス2:アメリカ合衆国ネバダ州
②リカルド・ロペスvsロセンド・アルバレス:メキシコ合衆国メキシコシティ
③リカルド・ロペスvsアレックス・サンチェス:アメリカ合衆国ニューヨーク州
④オスカー・コラーゾvsノックアウト・CPフレッシュマート:サウジアラビア王国リヤド
⑤チャナ・ポーパオインvsロセンド・アルバレス:タイ王国サケーオ県
⑥井岡一翔vs八重樫東:日本国大阪府
⑦ノックアウト・CPフレッシュマートvsワンヒン・ミナヨーティン:タイ王国チョンブリー県
⑧新井田豊vsローマン・ゴンサレス:日本国神奈川県
⑨大橋秀行vsリカルド・ロペス:日本国東京都
⑩ラタナポン・ソーウォラピンvsゾラニ・ペテロ:タイ王国ソンクラー県
上位はロペスが占めるのは当然のことだろう。周囲のファンからは「大橋vsロペスとの試合が入ってないぞ!作り直せ!」と声が聞こえてきそうだが、いやいや…大真面目である笑。とゆうのも見ての通りロペスの試合は晩年の試合である。新進気鋭として活躍してる頃より、晩年の知名度もファイトマネーも高くなった時の方が注目度も生み出す金銭面も桁違いだろう。まあ、後半は何となく感覚で選んだのだが笑。
中でも驚いたのはロペスvsアルバレス初戦である。なんとあのメキシコが誇るレジェンド的スーパースターのフリオ・セサール・チャベスを押し退けて、メインイベントとなったのだから。因みにミゲル・アンヘル・ゴンザレスとこれまたビッグネームとの試合である笑。当時はウィテカーに引き分け、ランドールとデラホーヤに負けたのが原因だろうが、それでも観客席を埋めるだけの価値は余裕であっただろう。ロペスが輝いた瞬間である。
因みにロペス関連を除くと驚くべきことに、コラーゾvsCPフレッシュマートの1戦が4位となった。いや、勿論理由はあるんですよ二つ理由が。まずは開催地が潤沢な資金で溢れるリヤドであること、そしてコラーゾがアメリカ人であること。そう、何が言いたいかと言えば結局ビッグマッチか歴史に名を残すかどうかを決めるのはアメリカ様なのである笑。歴代PFPも殆どがアメリカ人。ヘビー級もアメリカ人。アメリカ万歳である笑。
- 価格: 1749 円
- 楽天で詳細を見る