一流の実力者溢れるスーパーフライ級について。
新しい階級で、尚且つ米国内でのビッグマッチも多い強豪製造階級。上手く伝わるか分からないけど、フライ級とスーパーフライ級では壁が存在している(気がする)。フライ級世界王者はフライ級止まりが多いが、スーパーフライ級ではバンタム級も制する実力者が多い。うん、自分でも何言ってるか分からんわ笑。米国人も多いと言う人気補正のせいだろうか。近年でも黄金のスーパーフライが到来したが実力が拮抗しているだけに試合内容自体は面白くなかったがバムが新風を吹き起こしたのは清々しくて忘れられない笑。
スーパーフライ級歴代最強ランキング。
①井上尚弥(日本)
②ジェシー・ロドリゲス(アメリカ)
③ジョニー・タピア(アメリカ)
④カオサイ・ギャラクシー(タイ)
⑤ヒルベルト・ローマン(メキシコ)
⑥渡辺二郎(日本)
⑦文成吉(韓国)
⑧川島郭志(日本)
⑨徳山昌守(韓国)
⑩ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)
①井上尚弥(日本)
井上かバムで迷ったが、強打の差で井上として頂いた。いや…その強打がワンランクもツーランクも上なんですけどね笑。状況としては井上が覚醒するナルバエス戦は「全盛期が衰えていたからだ!ドネアのやりあってた時とは違う!」なんて声が大きいが皆さん。肝心な事を忘れている。ナルバエスはドネアの階級に合わせていたことに。対する井上戦は自身が最も活躍してきたスーパーフライ級である。なので状況は五分五分、その上で井上の方が圧倒的に早くKOした。だから井上最強なのである笑(小並感)。
②ジェシー・ロドリゲス(アメリカ)
現在絶好調のバム・ロドリゲス。正味のところバムのスキルの高さ、フットワークの軽さはタピアも及ばないし、カオサイに至ってはノックアウトされる(と思う)。クアドラスから始まりシーサケットをグウの音も出ないほど打ちのめし、エストラーダにはダウンを奪われたものの試合全体としては圧倒的な差があった。やりにくさ満載のサニー・エドワーズの土俵で戦い、撃破したのも意味が大きい試合である。彼は井上以外に倒せる選手が見当たらない唯一無二のボクサーである。
③ジョニー・タピア(アメリカ)
破天荒な人生とは裏腹に、ファイトスタイルはクレバーそのもの。危機察知能力が高かった。パンチ力の差は大きくカオサイに引けを取るが、無尽蔵のスタミナ、フットワーク、スピード、バランスなど総合スキルはカオサイを徐々に徐々に追い詰めていくだろう。同じ故郷のダニー・ロメロとの統一戦が彼の勝ちを大いに高めたが、接戦だったこともありバム、井上の方を上とした。引退後の人生は薬物からの刑務所暮らしからのリング復帰と、とにかく情緒不安定では天候だったがボクサーとしては紛れもない才能の持ち主だった。
④カオサイ・ギャラクシー(タイ)
大勢の人がスーパーフライ級最強は?と聞かれたらカオサイの名前を思い浮かべるだろう。いやいや、でもですよ?自慢の強打は凄いし、老獪なテクニックも凄いけど、タイの地元判定は挑戦者に対する悪質な嫌がらせ行為が評価を下げてるんですよ笑。19度の圧倒的な実績を引っ提げているが、そのうち何人もの相手が被害者なのだろうか?と考えると手放しには賞賛できない。ナルバエスもアルゼンチンの地元判定が酷いのと、井上に圧倒された姿が余りにも印象強かったのと、強豪を倒してないのでランク外にしてしました。
⑤渡辺二郎(日本)
触らぬ神に祟りなしと書かれてメモに気になって手に取るとヒルベルト・ローマンで結果的にその通りの試合となってしまった。新設されて間もない階級だったが二団体統一した偉業はどの時代でも評価されるだろう。我儘を言えばカオサイ・ギャラクシーとの試合が見たかった。日本で試合開催として彼の総合能力なら絶対に勝てていたはずである。ボクサー人生の最後も辰吉丈一郎とスパーリングで苦戦したために、夜中にタバコを吸いながら引退を決意したというマジでカッコいいエピソードの持ち主でもある笑。
⑥文成吉(韓国)
対戦相手が豪華でナナ・コナドゥ、ヒルベルト・ローマン、グレグ・リチャードソン、イラリオ・サパタと強敵揃いである笑。バンタム級時代カオコー・ギャラクシーにも挑戦して勝利を上げている。ホセ・ルイス・ブエノに敗北したのは激戦を行いすぎて肉体疲労が激しかったためか、ファイトスタイルゆえか、はたまた年齢による老いかはボクには分からない。松村謙二ろ小林智昭を相手に世界戦を行なっているのにも関わらず我が国では知名度が低い不思議なボクサーである。彼はもっと語り継がれてもいいと思う。
⑦ヒルベルト・ローマン(メキシコ)
力量的には渡部二郎と変わらないと思うが、当時敗北したのはセコンドが判定で勝っているから、次のラウンドからは流せと言われたかららしい。もしも、本気で勇猛果敢に挑んでいたらどうなっていたのかと思うと悩みは尽きない。対戦相手は渡部二郎はもちろんサントス・ラシアル、ナナ・コナドゥ、文成吉ととんでもない顔触れである笑。技巧派であり、パンチに威力はなかったらしい。今で言うロマチェンコタイプだろうか。最期は交通事故で亡くなったと言うが、リングのダメージが大きそうである。タピア同様悲劇の最期である。
⑧川島郭志(日本)
アンタッチャブルと呼ばれ、日本人離れしたテクニックの持ち主だったらしいがボクはこの世界王者のことを詳しくは知らなかった。実兄もIBFフライ級世界王者の権順天に挑んだ川島志伸とのこと、戦績も短いし世界初挑戦も早かったが引退も早かったのは残念。ネットの意見を見てみると徳山よりも川島の方が強いと言う声が多かったのでランクイン。ただ、防衛回数も対戦相手もどうしても物足りなく感じるので8位…なのだが、高すぎる気もする?鬼塚、徳山、井岡、井上、渡辺と、この階級の日本人ボクサーはマジで最強が多い。
⑨徳山昌守(韓国)
スーパーフライ級のサーシャ・バクティンと言ってもいいだろう。長谷川穂積も彼の挑戦を避けたと言われる。ジムの方針からか、長谷川の意思なのかは不明だが、恐らくジムが敬遠させたと考えるのが妥当だろう。亀田興毅との対戦は、不利だとみて逃げた亀田はのちのキャリアや注目度合いを見てみると賢い選択だった笑。アウェイでも防衛してメンタルも強く、何よりアウトボクシングが強い。恐らくアウトボクシングはアジア最強と言ってもいいんじゃないだろうか。
⑩ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)
実力は間違いないものの、PFPランカーに入るほどじゃないと叩かれていたメキシカンのスター。ボクシング史に残した名試合や対戦相手で3位でもおかしくないが、最近のボクサーであることと、そして接戦が多すぎるので、10位として頂いた。ロマゴン、シーサケット、クアドラス、そしてバムと対戦相手の質は本当にレジェンドレベルである。恐らく10年後にはレジェンドのレジェン度が上がり上位に入っているだろう。初期にロマゴンと互角の打ち合いをして、その後の活躍ぶりでマグレじゃなかったを証明したのがカッコよかった笑。
スーパーフライ級のビッグマッチ。
①ファン・フランシスコ・エストラーダvsジェシー・ロドリゲス:アメリカ合衆国アリゾナ州
②ジョニー・タピアvsダニー・ロメロ:アメリカ合衆国ネバダ州
③ファン・フランシスコ・エストラーダvsローマン・ゴンサレス2:アメリカ合衆国テキサス州
④シーサケット・ソー・ルンヴィサイvsローマン・ゴンサレス2:アメリカ合衆国カリフォルニア州
⑤ファン・フランシスコ・エストラーダvsローマン・ゴンサレス3:アメリカ合衆国アリゾナ州
⑥クリスチャン・ミハレスvsビック・ダルチニアン:アメリカ合衆国カリフォルニア州
⑦渡辺二郎vsパヤオ・プーンタラット:日本国大阪府
⑧井岡一翔vsフェルナンド・マルティネス:日本国東京都
⑨クリスチャン・ミハレスvsアレクサンデル・ムニョス:メキシコ合衆国ドゥランゴ州
⑩井岡一翔vs田中恒成:日本国東京都
メイウェザー曰く、メキシカンvsアメリカンの構図を呈した試合が米国では一番盛り上がる(厳密にはメキシカンvs黒人だが)。その理論を間に受けるなら1位はバムvsエストラーダで問題ないだろう。黄金のスーパーフライが集う前はタピアvsロメロがスーパーフライ級最大のビッグマッチだっただろうがロメゴン、シーサケット、クアドラス、エストラーダが集結して歴史に名前を、人々の頭には記憶を、そして周囲の関係者にはマネーをもたらしてくれた笑。
「井上vsナルバエスが入らないのはおかしいだろ!」と文句の声を頂きそうなので説明しておくと、井上尚弥が日本全国区的に知名度を広めたのはWBSSからである。このビッグマッチランキングは当時の盛り上がり、熱狂を考慮して作成しており晩年のビッグマッチが評価されやすいポイント制である。当時は井上の名前は広まっておらず、亀田や井岡のようにテレビが生み出しているボクサーは信用できない、井上父もトレーナーとしてはど素人といった酷い意見もあった。まだ知恵袋で残っているので興味ある方は見てほしい。
階級創設初めてのメガマッチは渡辺二郎vsパヤオ・プーンタラットだろう。タイ人としては珍しく試合数が14試合と非常に少ない。その次は記憶に新しい無尽蔵のスタミナを誇りナイスボディを受けても動きは一時的に落ちるだけで12回全てをラッシュ、連打で過ごす脅威的な手数の選手フェルナンド・マルティネスと、ボクシングの教科書井岡一翔の試合である。12月24日に今の記事は執筆されており、もしやするとランキングの変動もありうる名試合があるかも知れない。
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